仙台リスクマネジメント

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 屋根は晴れた日に作る:危機をチャンスに変える真の企業

 

11月27日 2008年

 

 

 京セラ名誉会長である稲盛和夫氏とアリババの会長である馬 雲

(ジャック・マー)氏との対談が日経ビジネス11月10日号に掲

載されていました。

 

 世界は今、100年に1度といわれる未曾有の金融危機と、世界

同時不況への不安にあります。この時期に「不況に耐え、次の一手

を」と題する対談でした。

 

 馬 雲(ジャック・マー)氏は、中国最大のインターネット企業

グループを率いるCEO(最高経営責任者)です。稲盛氏との年齢

差は親子ほども違っています。しかし両氏には以下のような共通点

があります。

 

 1ー挫折を重ねた青年期

 2ーゼロからの創業

 3-株主の利益より顧客や社員を優先する人間中心の経営

 4-自らを厳しく律する謙虚さ

 5ー人まねではなく、自分の経験と思考を昇華させた独自の

   経営哲学

 

 稲盛氏は今回の危機を、「満つれば欠けるーという自然の道理が

でただけのこと。欲望が膨れ上がっ満つれば、欠けるのが当然。そ

れを見せつけたのが今回の危機。今こそ人間はー足りを知るーとい

う謙虚さを学ぶべき」といっています。

 

 馬 雲(ジャック・マー)氏は、「経営者はこうした危機に立た

された時こそ、冷静でいられることが重要。本当に優れた企業とは、

危機をチャンスに変えられる企業。44歳の私が100年に1度し

か巡ってこない金融危機を経験できる。これは災難ではなく、むし

ろ経営者としての実力を試す得難いチャンスをもらったのだと楽観

的に考えている。これから数年間努力して、厳しい冬を生き抜けば、

アリババはさらに大きく飛躍することができると信じている」とい

っています。

 

 両氏の言葉には説得力があります。

稲盛氏「謙虚な経営において肝心なのはー備えーです。会社に現金

の蓄えがどれだけあるか。どんな不況にも耐えることができ、新し

い手を打てるかどうかが重要。

 

 しかし米ウオールストリートの人々は、私の経営スタイルがあま

り好きではない。現預金をいっぱい持っているから。現預金をたく

さん抱え込んでいる会社は、株主に対してよくない。もっと有効に

使うべきだと。

 

 こういったROE(自己資本利益率)、つまり自己資本に対して

いくら利益が出たかを尺度にする考え方では、(現預金を減らして)

自己資本を少なくすれば株主の利回りが大きくなる。

 

 しかし、それではスリムになり過ぎて、今回のような危機には耐

えられない。次の発展への備えもできない。不況をチャンスに変え

るためには、平時から備えを怠らない堅実な経営を心がけるべき」

と述べています。

 

 この言葉に対して馬 雲(ジャック・マー)氏は、「我々経営者

は、お客様や株主が注目している以外のもの、あるいは見えないも

のを見なければならない。将来、自分たちにどんな災いや火の粉が

降りかかってくる可能性があるのか、常日頃から考えるべき。

 

 そして、景気の良い時にきちんと貯蓄し、景気の悪い時に投資を

行う。このような経営を実践するには、やはり現金の備えが潤沢で

ないとできない。

 

 中国にはー屋根は晴れた日に作るーということわざがある。屋根

は晴れた日にきちんと作っておくべきで、災難という雨が降りかか

ってきてからでは遅い」と述べています」

 

 馬 雲(ジャック・マー)氏はさらに現在までの成功について、

「自分は成功したなどとは全く思っていない。むしろ成功という言

葉を恐れている。アリババは創業から9年しかたっておらず、京セ

ラに比べればひよっこです。問題や課題はいくらでもあり、成功し

たなどと言うのはおこがましい」とも述べています。

 

 バブルや不景気で浮かんでは消える経営者を私たちは何十人も見

てきましたが、やはり両氏のような人間的な謙虚さに裏打ちされ、

晴れた日に屋根を作る、リスクマネジメント感覚に溢れた経営者の

対談読了後に、私も今回の危機をいかにチャンスにしようか?とい

う勇気がじわりと湧いてきました。

 

 

 

 

 

下記ブログ 11月13日(2008年)に掲載

http://blog.goo.ne.jp/kan-noki-shitei

ブログ:メールマガジンでの配信 

http://www.mag2.com/m/0000270702.html