仙台リスクマネジメント

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建設業のBCP

 

No1

建設業は一般企業と比べてBCPにおいては特殊性があります。

特殊性

 一般企業が自社と取引先のことを考えてBCPの策定をするのに対
して、建設業の場合はさらに広く、公共インフラの復旧という重要
業務が追加されます。

 一般的に工場を持つ製造業においては、被害が拡大しても「主
力製品を製造する」という自社の重要業務に大きなブレはありま
せんが、建設会社では、重要業務として認識しなければならない
対象業務が拡大します。
 
 それは「道路等のインフラ復旧」や「被害を被った他の企業等
(得意先)の建物復旧」が自社の事業継続にかかわる重要業務に
なってきます。

 新潟県知事が公言しているように、一般市民のインフラ復活よ
り製造工場関連の公共インフラを優先されるケースが多いので、
建設業においては地方団体や国からの期待度が高いです。

事例1
新潟県知事は、平成16年10月23日午後6時地震発生。中越地
震(M6.8、震源の深さ13kmの直下型の地震。ユーラシアプレートと
北米プレート間で起こった逆断層地震。震度7を観測した)対応にお
いて、復旧・復興工事では、地元企業を優先しました。

地元優先調達の根拠:
地元の建設業者が健全でなくては、県民の生活を守ることはできない。

「神戸では、復興工事の大半を大手ゼネコンが担当し、インフラは戻
ったが、地域のコミュニティーは崩壊してしまい、経済面でもかって
のような力強さは見られない。一度壊れてしまったコミュニティーは、
なかなか元に戻らない」とコメント。

事例2
ガス・水道の復旧では、まず地元に根付いた大企業・工場への供給を
優先。地域経済を支える企業を救済することで、地域の雇用、生活を
守ることが目的。

「工場が事業中断することで、生産品のシェアをいったん失うと、そ
れを挽回する事は事実上不意可能になる。その結果企業は存続できず、
そこで働く人々は職を失う。個人生活には多少の不便をかけても、大
きな企業の事業継続を優先する対策を取る理由がここにある」とコメ
ント。


http://jisin.info/chiji.aspx

詳細は上記WEBを参照して下さい。 

特殊性

 建設業においては、場合によっては、地方団体や国の機関と地域協
定を結んでいる可能性が高い、あるいは高くなる、ということです。

 この場合、自社のBCPがしっかりと発動していないと、地域協定の反
故となり、社会的信用を失ってしまうことになります。

 

No.2

建設業においては、どのような特徴に留意してBCPを策定すべきか?

 最初に、建設会社の組織・事業形態における特徴を確認します。

ピラミッド型組織であり、事業拠点が多数存在する。

屋外単品生産であり、一般的に工場等の特定の生産施設を保有し
てない。

施工が長期にわたり、施工中の建物は自然災害を受けやすい。

労働集約型であり、自社単独では事業が成立しない。

災害時にはインフラ復旧等の重要な担い手とならざるを得ないとこ
ろがある。

工事の施工に関連して数多くの協力会社や資材・機材メーカーと
取引があり、作業員や建設機械等を常に動員・調達しなければな
らないので、これらの会社との協力がなければBCPが成り立たない。

竣工物件が多数存在する。
工事引渡し後も、一定期間責任が継続するため、顧客との関係が
長期にわたる。

発注してくれた得意先は、当該発注工事請負完了後も、重要な営業
先として位置づけられる。

予期し得ない災害が起こった場合には、施工中現場の工事中断が
許される場合がある(不可抗力条項)。
10
現場は平時より地域と密着している。
11
防災・減災技術を保有している。

 以上が建設業におけるBCPを考える上での特徴となりますが、一般
企業と比べ、かなり特殊性があり、BCP策定においては大変さがあり
ます。

 清水建設の山本亘・総合企画部副部長は大変さについて以下のよう
に述べています。

 「1万5000棟の全てを復旧するというのは現実的に厳しい面があ
りそうです。対応時間が無限ならともかく、有事に限られた人数で顧
客が求める復旧活動を全て実施するのは難しい。

 そこで取り組んでいるのは、まず顧客企業のBCPを把握することだ。
BCPを作成している顧客企業はまだ多くないが、たとえば顧客が複数
の施設の中でどこを優先的に復旧したいと考えているかを把握すること
は顧客ニーズに沿った支援活動という意味で重要だ。

 さらに大切なのは、平時の対策。当社では全施工物件についてコンピ
ューター上で予想される被害状況を試算しており、こうした予測をもとに、
被害が大きいと想定される物件に対しては耐震対策を積極的に提案している」

 キーワードは「顧客企業のBCPを把握すること」ではないでしょうか?