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中国製冷凍餃子・食品安全とマスコミ
2008年3月24日  尾崎 洋二

 食品業者の方々を対象としたセミナー講演を控え、リスクマネジメント
の中でも食品関連の資料のバックナンバーを今は様々に振り返って読み直
しをしているところです。

 資料の中で 松永 和紀(わき)さん:科学ライター:の提言をとりあ
げます。

 松永さんの結論を先に述べます。

マスコミの方々は全てではありませんが、時折散見される杜撰な科学報道
をしないでほしい。


マスコミ経営者の方々は科学知識の豊富な専門記者を養成してほしい。


マスコミに接する一般市民の方々は懐疑主義を貫き、多様な情報を収集
して自分で判断をして欲しい。

 この提言に私からは、

食品業界の方々も一般市民の方々も情報リテラシー(収集・選別)能力
を高めないと自社や自分自身のリスクマネジメントができません。

 というのをぜひ付け加えたいと思います。

 松永さんは、大学院で農芸化学を学んだ後、毎日新聞記者を経てフリー
の科学レイターをしています。

 著書に「食卓の安全学---食品報道ののウソを見破る」や
「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」
(光文社新書)等があります。


 最近の中国製冷凍餃子事件について松永さん曰く

杜撰な科学報道の影響は予想以上に深刻であり、最近では今回の事件の
動向にも暗い影を落としている。


問題となったギョーザからは極めて高濃度の農薬が検出されており、
行政職員や食品関係者などは発覚初日から、犯罪か特殊な事故が原因と
みなしていた。


ところが、メディアが繰り返し流したのは中国の農業現場で農薬が散布
される映像だった。


農地で散布されて農産物に残留する農薬濃度と、中毒を引き起こしたギョ
ーザから検出された農薬の濃度は数千倍から数万倍違い、対策も根本的に
異なるはずなのに、マスコミは同一視してしまった。


その結果、メディアは「輸入検疫強化を」と声だかに主張し、国は早速抜
き取り検査の数を増やしたり、加工食品の検査などに着手したりしたが、
今回の事件で中毒を起したギョーザはわずか3袋なのに、それらと同じ日
に製造されたギョーザは1万袋以上で、こんな局所的な汚染は、検査数を
少々増やしたところで見つけられない。


輸入検疫強化では再発防止はおぼつかないのに、「検疫強化」と聞くだけ
で、多くの市民は安全対策が前進したように錯覚している。

 以上の松永さんの提言は「食におけるリスクマネジメント情報の注意点」
として私には貴重に思えました。