「安全運転寿命」
安全運転を継続できる寿命。
自身の寿命を延ばすために「自分の変化に敏感である」ということ
は長寿の条件。
A
交通の高齢化
h19:65歳以上 死者 272人
65歳以上 人口比 21.5% 免許人口 14%
65歳以上 交通事故による全死者数割合 47.5%
交通事故による高齢者の死者の半分は歩行者。
同年代の人々が揃って高齢化する、交通社会における一つの巨大
勢力
中高年者:40歳~60歳
改正道交法:70歳以上の死亡事故割合、10年で倍増
全死亡事故件数に占める70歳以上の割合の推移 交通事故が減少傾向にあるなか、
高齢ドライバーによる事故の抑止が課題になっている。
警察庁によると、70歳以上の高齢ドライバーによる09年の死亡事故は640件で、
99年の584件と比べ増加率は1割程度だ。
だが死亡事故全体に占める割合は、09年は14.56%で、99年の7.34%の2倍
近くに伸びている。
08年の70歳以上の普通自動車免許保有者は592万人で、04年(442万人)の約
1.3倍。ドライバーの高齢化も顕著だ。
警察庁は98年、運転免許の自主的な返納を促す制度を導入。昨年は免許を更新
する75歳以上を対象に、記憶力と判断力の検査を義務化した。
事故防止のため高齢ドライバーに自分の運転能力を直視してもらうのが目的だ。
一方、昨年4月に成立した今回の道交法改正は高齢者の運転の継続の支援に力点
を置く。
車間距離の保持義務違反に対する罰則の強化も「後続車に接近されることに恐怖を
感じる」という高齢者の声などを踏まえた施策で、同10月に先行施行された。
警察庁交通規制課は「車が多くの高齢者の日常生活に不可欠な移動手段である以上、
支援策の充実は必要だ」と話している。
B
安全運転力
安全運転能力を包含するもの。
交通社会の安定化における原動力になるという意味。
まず安全運転を継続でき、実践することができる力。
能力:物事をすることができる力。
力: 自分の動き、またほかのものを動かす元になるもの。
「スピード出さない。車間距離をとる」
能力という概念より、その能力が及ぼす注意としての結果行動。
その根本となる注意をするための力は、どのようなものがあるか?
危険対応力
危険予知力+それに合わせた安全行動
C
ヒューマンエラーと不安全行動の違い
ヒューマンエラー
「注意して走行していたが、危険を予知することができず、その
回避も間に合わず事故になってしまった」
若年層に多い。経験不足。
不安全行動
:交通行動における確信犯
「危険がわかっていて、これまでの経験から大丈夫だろうと思い、
停止などの安全行動をとらないこと」
「危険予知はできていたが、それに基づく注意をせずに走行を続け、
結局は事故やヒヤリハットにつながってしまった」
大丈夫であろう←経験から?
危険予知能力自体は一定以上の力を持っていることが多い。
しかし、これまで、それほど注意しなくても事故やヒヤリハットに
つながっていないという安全経験?を数多く積んでいるために、交
通全般に対するリスク評価が下がり不安全行動をとりやすい傾向がある。
「いつもは誰も通らないので、この交差点は徐行しなくてよいだろう」
安全行動はむしろ粗雑になっている。
「おっくう」→重要症状
必要性として感じなくなり意欲的でなくなる。
or
必要性は変わらないが体がいうことをきかない。→柔軟性の衰えが原因。
ほとんど無意識のうちに危険予知をしながら不安全行動をとるようになる。
→体系的な教育プログラムが必要。
D
遵法精神(モラル)と自己統制(セルフコントール)
事例
「早く帰りたから急ぎ運転は慢性化しているが、周囲の交通環境を
乱すまでの運転はしない」
↓
追突事故を起こしやすい。
「夜中で誰もいない信号は無視するが、いらいらしても無理な運転
はしない」
↓
自らが勝手に交通リスクの評価を行い、自らの判断で運転する。
過信→大きなリスク見落とし、大事故。
E
視覚
運転に必要な情報の80%以上は視覚により収集。
老化の実感は目からくる。
老化を感じるとき→51% 小さい文字など近いものが見えづらくなった。
物忘れ→36.8%
目が疲れやすくなった→35.1%
深視力:両目をバランスよく使って距離を把握する能力。
よく物にぶるかる、つまづく、転ぶ。
深視力の低下or弱体化:老眼とともにやってくる。
見るものが平面的になり、距離感をつかみにくくなる。
視野:左右に110度前後:気配視→前かがみ運転→狭窄
本読み:左右5度:中心視
色区別:左右30度まで:周辺視
「目が疲れやすくなった、かすむ、ダブって見える」
↓
眼精疲労:老化→調節性眼精疲労
カナダ法令:車全時間照明オン
薄明視:夕暮れ時
網膜にある2つの細胞が同時に働き、その調和が崩れ、焦点が合いにくくなる。
錐体細胞:明るいところで能力発揮、高い感度を持つ。
かん体細胞:暗いところでは能力を発揮するが、視力では劣る。
昼間視:1.2あっても、夜間視:0.7まで落ち込む。58%ダウン。
夜間:障害物の背景が照明で明るく、障害物そのものは黒く見える現象が起こる。
+
距離感やスピード感も低下。→対象の視認性が遅れる。
F
ストレス
継続は老化推進
1活性酸素を産出するホルモンの分泌増える。
↓
2緊張で血管が収縮し、血圧や血中コレステロール値が上昇。
↓
3血管の老化が進み→心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなる。
↓
免疫の低下:感染症にかかりやすくなる。
過度のストレス
1
副腎から分泌される副腎皮質ホルモンが神経細胞、とくに脳の海馬の神
経細胞も傷つけることもある。
↓
海馬損傷:記憶力減退、脳の機能低下。
G
日常の老化現象:物忘れ
脳の神経細胞 約140億個。
25歳過ぎると1日に10~20万個ずつ死滅。
運転態度や基本的な確認動作が一定レベルに満たないドライバーは、
高齢になってからではレベルアップを図ることがむずかしくなる。
必要な注意を記憶に覚えようとしても、よほどの反復練習を覚悟しなけ
れば定着しにくくなってくる。
さらに反復練習する根気は?
物忘れがそれほど酷くない中高年のうちに、安全運転習慣の貯蓄を作っ
ておくことが必要。
H
高齢ドライバーにおける運転行動の特徴
:中高年:40歳~64歳:日本交通心理学界
1
高齢になるほど左右確認回数が減った。
交差点の視角からの接近者を発見するたもの左右評価が不十分。
2
見通しの悪いand 一事停止交差点での速度は、高齢者は速い。
交差点で「止まって確認」という安全運転の基本ができてない。
3
「自分は安全である」という自己評価が、同乗した指導員の評価より
も高く、他の年齢層よりも高い。
4
追突事故が減り、出会い頭事故が増える。
事故の回避という観点から自ら危険運転をしないということだけでは
十分ではなく、他車(者)からの危険回避も必要。この点が劣化。
理由
a
「さほど注意をしなくても大丈夫であった」という不十分な安全経
験からの不安全行動。
b
加齢による身体能力の衰えから危険の見落とし。
c
安全運転という概念を警察当局が単純化。
取り締まり強化→交通法規遵守→危険運転致死傷罪の新設・飲酒運
転の厳罰化等。
↓
「スピード出さず、車間距離さえ開けていれば事故は起こさない」
↓
危険予測に基づく他車(者)からの危険回避自体が十分に訓練され
ていない可能性が高い。
d
運転経験が過信を生み、危険予知に基づく安全行動の力を下降させ
ている。